概要

日本小児循環動態研究会は、小児循環器学会ではもっとも歴史のある小児心機能血行動態研究会(中澤誠会長)と小児運動循環器研究会(康井制洋会長)がひとつの研究会となり、「発達途上および小児期発症心疾患の心機能および血行動態に関する最新の情報を交換し、会員相互の知識向上を計ることによって、広くこの分野の発展に寄与すること」を目的として、2005年に発足した研究会です。

中澤誠先生のことば
小児循環動態研究会30回に寄せて
小児心機能血行動態談話会1981として、1981年2月1日、東京女子医大消化器病センター2階のカンファランスルームで開催。Jay Jarmakaniの「Cardiac function in the neonate」と題する特別講演、それに11題の一般演題で始まった。一応の口演時間は設けてはいましたが、出来るだけ議論を深めようと、討論を中断はしませんでした。この時から1題1時間の討論も例外ではなくなりました。会の終わり頃になると帰りの新幹線や飛行機の時間のためaudienceが少なくなったものです。 当初は、東京と大阪で交互に開催していましたが、10回を過ぎたところで、「10年間の歩み」として小冊子を作りました。今日は、そこに書かれてある当時の幹事さん達の言葉の一部を御披露したいと思います。 亡くなられた神谷先生が筆頭で、次の文章があります。菅先生の「Frankの圧・容積関係は蛙では成り立つようだが、哺乳動物で成立するかどうか分かっていない」との言葉から「スキップした思い込みの恐ろしさを肝に銘じている」とあります。 次いで、静岡こども病院の中野先生です。この会の今後の方向性として@病態生理の解明、A手術適応基準の確立、B運動処方など生活管理の具体的提案、とあります。 3番目は私で、当時から発生発達を視野に入れるべきと書いています。 次に、弘前の五十嵐先生。「気取らない」「時間に厳しくない」「懇親会がない」の3「ない」で、学問的厳しさをもち開放的な会の良さを喜んでいます。 馬場清先生は「臨床の場で8割の理解を9割に拡げるためには、心機能の理解は不可欠である、そのため、この会の意義がある、と述べています。 砂川先生は、PSでの右室圧を考える中で、運動中の動態に関連して、可能な瞬間最大圧は、あるいは巡航最大圧はどうか?と、dynamicな考え方の重要性を投げかけています。 最後に、越後先生は、この会は「好き者が集まって好きなことをしている」会ではあるが、次第に、好むと好まざるに関わらず、臨床現場での応用が避けがたいものになる、と断定しています。 この先人たちの夫々の言葉は全て、今ある姿を予見しているし、また、そのままこれから進む姿も示していると思います。この分野での研究、この会での発表が、患者のより良い人生に寄与するように、今後とも先生方の貢献を心から期待するものです。